2014年8月26日火曜日

8月も残りわずかとなりました。
ここ最近の活動状況を簡単にまとめさせていただきます。

①技術開発班
技術開発班では前回の更新でも挙げました通り、便に灰をかけることによって嫌気的に発酵を進めるという方向の実験を行うことになりました。
今回の実験では簡単に言いますと、便(実験のため、疑似糞を用いる)に灰をかけ、嫌気的な発酵により取り出せたメタンガスの量や質を測定するというものです。現在は実験のための資材集めなどを行っており、準備ができ次第、実験のほうに移っていく予定です。

②市場調査班
市場調査班では協力者とのコンタクトが取れてきましたので、これから細かい日程調整に入っていく予定です。
今回の渡航では人脈づくりと現状把握が目的なので、どのような質問や対話をしたらマニラやセブのリアリティを見出すことができるのかということも踏まえて簡単なインタビュー内容も考えていこうと思っています。

9月の渡航も日に日に近づいていますが、まだ決まっていないことも多々ありますのでこれからしっかり気合を入れてやっていきたいと思います!

Compost Projectメンバー 古橋知樹

2014年8月3日日曜日

ブログ作成からだいぶ時間が経ってしまいました。実験やテスト勉強、フィールドワークの段取りなどに手間を取られておりました。プロジェクトを動かしていくのはとても難しいと感じることばかりですが、Compost Projectに関係しそうな人やトイレのワークショップに参加しながら、国内でできることについては全力投球中です。そのおかげで気づきもたくさんありました。

ここ最近のことについて簡単にまとめようと思います。

前回から進行したこととしては、

①「実験班」改め、「技術開発班」で行う実験が、屎尿を分離したのちに、有機物(ここでは便)を好気的に発酵するものを想定していたところが、嫌気的に発酵(といっても灰を掛け、ただ放置するもの)させた便の部分をどのように利用できるかを考える方向になったこと

この理由は、好気的に発酵させようとすると、確かに排泄物の量は減量化できるのですが、結局のところメンテナンスの部分で使用者がめんどくさがったり、単純にトイレに駆動域ができることによって壊れるリスクが高まることが考えられたためです。

灰を掛けるタイプにもメリット、デメリットがあるわけですが、Compost Projectで考えているのは、「各家庭に設置することを想定した、移動可能なコンパクトなもので、電気、水を使わず、トイレ使用者がそのトイレの屎尿を何らかの形でお金に変えることが可能な、低コストなトイレ」です。回収、屎尿を原料とした堆肥やバイオガスなどがどのように使われるかといった、全体的なシステムを構築していく必要が出てきます。

単純にトイレだけの開発となると、これまでのトイレ支援と全く同じ構図になってしまい、トイレが壊れたり、屎尿がうまく回収されずに許容量を超えたりといった、長期的に使用するための「管理」にまでインセンティブがない状態になってしまいます。そうなると、河川でトイレをし、病原菌がその河川の水を媒介して拡散し、病気の原因となることが防げないままになってしまします。衛生的には根本的な改善がなされません。(土にそのまま野糞をする場合の人への影響はまだ十分に理解していません。土が汚染されていても、結局、地下水等の水環境の汚染が起こって、そこで初めて便由来の病気になるのだと思われます。)トイレのニーズがあるからといって、トイレだけに着目することはおそらくダメなんだろうと思います。

尿には病原菌が含まれていないので、どのように処理しても人が病気になる可能性はないのですが、便のほうを何とか無害化しないといけない、というのが、今求められている技術なのだと思います。尿は希釈して、液肥に使えるというので、積極的に尿を農地に有効利用し、物質循環しようというのが「エコサニテーション(ecological sanitation)」というのですが、Compost Projectはまさにそこに取り組もうとしているので、プロジェクト名が今後変わる可能性もあります(笑)

現状は、どのようなところまで過去の文献を参考にできるのか、今後どのような実験を組み立てるのかについて議論していく段階です。8月の中旬以降には実験が開始できると思います。



②「フィールド調査班」改め「市場調査班」では、1か月を想定し、メンバー5人で行くことを考えていたところを2週間に短縮、メンバーも2人(僕と後輩)になったこと

これは、国内での実験を並行して行くために短縮せざるを得なかったところがあります。「技術開発班」も5人でやっているので、1か月5人のうち3人も消える予定になっていたのは、さすがにきつさがありました。予定を変更して、僕と後輩が2週間渡航している間は、4人が実験を回すことになっています。

向こう(フィリピン)では、マニラ、セブに訪れ、それぞれのスラム街と農村地域の計4か所に行く予定です。が、当初予定していた様な、対象地域に住む現地民にインタビューをするということが一番高いハードルになることが分かり、まずは人脈をつくるところから始めようというのが今回の主な渡航の目的になりました。インタビューをする前段階では当然考えなくてはならないところなのですが、なぜか吹っ飛ばしていたのは自分でもクレイジーさを感じずにはいれません(笑)

なので、目的を再設定してから、現在は国内でフィリピンにつながりがある人とコンタクトを取っている段階です。これも友達や、今年に入って知り合ったフィリピンの学生とのつながりで、9月の渡航はいろいろな人に会える予定になってきました。やはり、パッション溢れる行動あるのみですね。

しかし、まだ未確定なところ、実際にどんなことを想定して、プランを作っていくかは全く決まっていません。向こうでは柔軟に頭を使っていきたいです。



これから先は、やっていくことの積み重ね。どこまで実現できるかは己らのパッション次第だと思っていますので、9月の渡航までに詰めるところは詰め込んでいきたいと思います。同時に実験をどのように進めるかを短期間で出していかないといけないので、こちらも気合を入れないといけませんね。

せいぜい頑張ります!

Compost Project リーダー 幸寺健悟